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ボルネオ島・サバ州に住む、現地の人々にとって、パーム油の製造・輸出は第一の産業です。

パーム油の工場に行くと、過酷な暑さとむせかえるにおいの中で、多くの人々が働いています。

彼らの最大の安定した収入源となるプランテーションは、ますます拡大しています。

旅のまとめ・くらし編 1

上空から見ると、見渡す限り地平線まで続くアブラヤシのプランテーションです。一見すると緑豊かな大地に見えますが、実はたった1種類の植物が大地を埋め尽くしています。


プランテーションの中に足を踏み入れると、林立するアブラヤシの周辺に、虫や鳥の姿はほとんど見られません。

アブラヤシの実を狙うネズミと、それを補食するヘビがいるそうです。

写真右(上)を見ると、プランテーション(右側)と原生林(左側)の境界線がくっきりとみえます。


写真右(下)は、川の上から見た川岸です。プランテーション(奥の方)と、畑ではない森(手前側)の境界線がみえます。

わずか数メートルの川沿いの森をはずれて、 プランテーションに迷い込んでしまうと、たとえ、絶滅に瀕した希少な動物でさえ害獣として射殺されてしまいます。


彼らはすみかを追われ、小さく分断された森に孤立していきます。わずかに残る川沿いの森でさえ分断されてしまった状況を改善するため、川沿いの森林保護区や保護林の間の土地を購入し、森林を繋ぎ野生動物の移動経路を作る「緑の回廊プロジェクト」が、ボルネオ保全トラストによって進められています。

1995年には世界の生産量の51%(インドネシアも含めると、約85%)を占めるマレーシア・ボルネオ島のパーム油。

世界的に需要が増え、これからも需要が見込まれています。約8割以上が「食用」。残りが化粧品や洗剤、ペンキやプラスチック加工品などに使われています。 下の写真は、ボルネオ・サバ州で訪れた現地のスーパーマーケットです。

これらすべてにパーム油がつかわれています。

スナック菓子、チョコレート、アイスクリーム、冷凍食品、インスタントラーメン、マーガリン。

食品以外の商品を加えると、おそらくパーム油に触れたり食べたりしない日は一日もないほどでしょう。


とはいえ、いまさらパーム油を使わない暮らしを選択することは、現実的ではありません。


パーム油の大部分を、マレーシアから輸入してきたわれわれ日本は、これまで豊かさを享受してきた側です。


美しいボルネオの自然を残すため、自分がどのようなものを買い、消費しているかを思い返してみましょう。

森の伐採により親を失ってしまった孤児のオランウータン。プランテーションに迷い込んだ結果、母親を射殺されてしまった孤児のゾウ。ちいさな保護区によって守られているテングザル。すべて絶滅危惧種です。


そして、今なお、知らないうちにひっそりと絶滅していく動物や植物、昆虫、細菌が数え切れないほどいます。


パーム油を使うことをやめられない今、せめてその使い方の分量について考えたり、環境に配慮した商品を購入したり、環境保護につながる商品や企業を選ぶことが、わたしたちが「まず最初にできる」エコ活動ではないでしょうか?

私たちLOVE FLAPができること。


それは現状を伝え、みなさんに知ってもらうこと。


自然環境や野生動物について、少しでも興味を持っていただくこと。


賛同してくださるミュージシャンも増えてきました。


浜端ヨウヘイさんは、ボルネオ環境保全活動を支援するチャリティCD「Starting over」を制作。5/11から販売を開始することを決めました。


みなさんにできることはなんでしょうか?

豊かな森は、左の写真のように伐採され、

アブラヤシが植えられていきます。

単位面積あたりの収量が他の植物性油脂に比べて圧倒的に多く、年間を通じて収穫が可能、価格が安い、石油と違って再生産が可能で枯渇しない・・・など資源として優れていることがその理由です。

旅のまとめ・自然編

旅のまとめ・くらし編 2

パーム油を使わない石鹸を売り出している企業や、持続可能なパーム油の認証を受けたパーム油を使用している製品、売り上げの一部を森を守る活動に還元している企業などもあります。環境に配慮した消費活動を考えることも「エコ」です。

旅のまとめ・保護編 1

サラヤは、「ヤシノミ洗剤」や「ハッピーエレファント」などの売上の1%を、ボルネオの環境保全のために寄付しています。また、BCT(ボルネオ保全トラスト)の設立に参加し、その活動をサポートしています。


ボルネオ保全トラストは、「緑の回廊プロジェクト」だけでなく、川幅の狭い場所にオランウータンが渡れる吊り橋をつくる「命の架け橋プロジェクト」、 傷ついたボルネオゾウを救出する「野生動物レスキューセンター」の設立なども行なっています。

旅のまとめ・保護編 2