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レスキューセンター

地上から

ロッジへ

スカウ村のロッジに到着!

「bukit melapi rodge」です。

もっともハードな一日が終わります。


レスキューセンター、ヘリコプター、プランテーション、およそ6時間のリバークルーズ、ゾウとの遭遇!


とても濃い一日を振り返りつつ、話が弾みます。


エネルギーあふれる押尾さんは、このあとおよそ1時間にわたって、夜のジャングルをウォーキングして、昆虫や両生類を取材しました。


我々ラジオスタッフのカメラでは、暗闇の写真は撮れませんでした〜 またレポートしてもらいましょう。

上空から

「野生生物レスキューセンター」にやってきました。


ボルネオゾウは森の中で生活するので、昔は地元住民でもゾウの姿を見かけることはあまりありませんでした。足あとや、遠くで聞こえる鳴き声でゾウの存在を知っていました。


しかし熱帯雨林が伐採され、アブラヤシのプランテーションが広がるにつれて、ゾウと人との距離はどんどん縮まって行き、衝突が起きています。


そこで、旭山動物園やサラヤなどの協力で、

野生生物の(あくまでも)一時的な保護や、ケガの治療をする「野生生物レスキューセンター」の建設が始まりました。

去年、9月に第1段階工事が完了しました。「ONGAESHI PROJECT」の看板が見えます。

http://ja.wikipedia.org/wiki/野生生物レスキューセンター_(ボルネオ)


農民から「ゾウをなんとかして欲しい」との通報をうけて保護します。最終的には、保護区にリリースされるのですが、ゾウの救出活動は続いているものの、ゾウを放す森が無いというのも現状。やはり、森を繋ぐ「緑の回廊プロジェクト」や「命の吊り橋プロジェクト」と平行して行われ、彼らの森を取り戻すことが理想的です!

上空から森を観察するため、ヘリポートにやってきました。


地球上の生物は名前がついているものだけで約140万種類に登ります。ボルネオの熱帯雨林には、このうちの実に50%以上が、地表の3%を占めるにすぎない熱帯雨林に生息している、といわれています。

ボルネオ島には200種類以上の哺乳類、同じく200種類におよぶ両生類と爬虫類、600種類を超えると言われる鳥類、調査のたびに新種が発見される昆虫が生息しているほか、15,000種類もの植物が確認されています。


そんな、アジア最大、世界的にも貴重な熱帯雨林が

「いま」危機にさらされています。


深刻な自然破壊、それがパームオイルプランテーションの拡大なのです。

上へ上へと上がっていきます。(写真左から上昇していきます)上昇始めたばかりの景色。緑あふれているように見えます。(写真左)

ちょっと上昇すると、早くも均等に並んだ木々が見えてきます。(写真中)これがアブラヤシの農園です。(写真右)

川の脇にわずかに残っているのが自然の森です。わかりにくいですね?(写真下)

地平線までつづく、アブラヤシの農園。(写真右)1970年代にはボルネオの86%を覆っていた熱帯雨林が、2005年には60%に減少し、原生林はわずか「5~10%」程度しか残っていません。 洪水の被害や水質が悪化するだけでなく、野生動物が移動して生きていくために必要な川沿いの森さえ失われつつあります。

とても人なつこい、ボルネオの人々。バイクで走ってる青年も手を振ってくれます。地上に降りて、さきほど上空から観たアブラヤシの農園を取材することにします。農園の入り口には鉄線が張り巡らされています。ここには高圧電流が流れており、ゾウが侵入してくるのを防いでいます。(写真左下)

均等に並んでいるアブラヤシの木。木の高さは15~20mと低く、4cm~5cmの小さな赤い実を1房に何千個も実らせます。これがアブラヤシの実です。大きなもので50センチ近くあります。(写真左下)そして、 手のひらにのせているのが、アブラヤシの種です。(写真中下)ここから主に「食用油」が搾り取られます。

世界的に増加する、。"パーム油"の需要。"パーム油"は、年間を通じて大量に収穫できて単価が安いだけでなく、コレステロールが低くて健康によく、食品の風味を変えないなどから、食用需要を中心に世界的に生産量が増えています。

この"パーム油"の世界最大の生産地がマレーシア、次いでインドネシアと、2国で世界の約85%を生産しています。


近年では、食用需要だけでなく、自動車の燃料であるバイオディーゼル燃料としても注目され、さらなる需要の増加が想定されています。

パーム油は、約8割が食品油としてマーガリンや揚げ油、ショートニング、アイスクリームなど、さまざまな食品に用いられます。


残りが化粧品や洗剤、ペンキやプラスチック加工品などに使われています。


収穫に挑戦しました。


木の上の葉っぱの生えた枝を切って、その根元にある実を、5mほどある「長い鎌」で切り落とします。めちゃくちゃ重い。そして枝を切るのもめちゃくちゃ力がいります。


機械は使わず、人力で作業します。これも重い。


現地の人々が暮らしていくためには「仕事」が必要です。その「仕事」のためには、森や動物を犠牲にすることになっても農園は必要なのです。


どうすれば、自然との共存が可能なのでしょうか?

小さな種を眺めながら、「バランスの難しさについて考えさせられた」という押尾さん。


農園を出ると夕暮れの空に虹がかかりました。

多くの人が知ること、考えること、行動することで、新しい希望が生まれるかもしれません。